先に結論:災害時の生理用品は、普段から使っていて肌に合う種類を中心に、下着、中身の見えないごみ袋、手指を清潔にする用品と一緒に備えます。自治体や避難所の備蓄は大切な支援ですが、種類やサイズまで自分に合うとは限りません。持ち出し袋と自宅の2か所に分け、日常で使いながら補充するのが現実的です。
この記事では、ナプキンなどの個数を一律に決めつけません。必要量は交換頻度、月経の日数、使う製品、体調で変わるからです。まず普段の1周期で実際に使う量を確認し、物流が止まる期間を考えて余裕を足します。2026年8月2日時点の内閣府資料を中心に、家庭でできる準備と避難所での対処を整理します。
災害時は生理用品だけでなく交換と廃棄まで備える
内閣府は、災害時のプッシュ型支援における基本8品目の一つとして生理用品を挙げています。令和6年能登半島地震でも、生理用品は女性や子育て世帯の視点を踏まえた支援物資として輸送されました。ただし、支援物資がすぐ個人の手元に届くとは限らず、いつも使う厚さ、形、肌触りまで選べる保証もありません。
家庭の備えは「受け取れるまでをつなぐ」「自分に合う物を確保する」ためのものです。内閣府の防災Q&Aも、自治体の生理用品備蓄は応急的で、好みの形状や状態に対応できない場合があると説明しています。特定の商品を防災専用品として買い足すより、普段使う物を一袋多く持ち、古い物から使って補充する方法なら、肌との相性を確認したまま管理できます。
一つのポーチにまとめたい物
- 普段使っている生理用ナプキンなど、自分で扱い方を理解している生理用品
- 替えの下着と、必要に応じてサニタリーショーツ
- 中身の見えない小さなごみ袋。使用済み用品を一つずつ包める枚数
- 手洗いが難しいときのウェットティッシュや手指衛生用品
- 下着や衣類を分ける防水性の袋
- 必要な人は鎮痛薬などの常用薬。ただし服用は説明書や医師・薬剤師の指示に従う
内閣府の避難所運営資料では、生理用ナプキン、清浄綿、サニタリーショーツ、尿取りパッド、おりものシート、中身の見えないごみ袋が例示されています。すべてを全員がそろえる必要はありません。自分が日常で使う物を選び、普段使わない製品は災害時に初めて使用しないほうが扱いやすいでしょう。
必要量は普段の1周期を数えて決める
「何枚あればよいか」は全員共通ではありません。まず直近の1周期について、昼用、夜用など種類ごとの使用数をメモします。次に、家庭の備蓄方針に合わせて日数を決めます。内閣府の資料では、個々のニーズに配慮した備蓄について最低3日間、できれば1週間分が望ましいとされています。月経が始まる時期は選べないため、持ち出し用には数日をつなげる量、自宅には1周期を乗り切れる量を置く、と役割を分けると管理しやすくなります。
量を決めたら、外袋に購入月や点検月を書きます。保管方法や使用期限の表示がある製品はメーカー表示を優先し、高温多湿、直射日光、水ぬれ、汚れを避けます。洗面所だけに集中させると、建物の損傷や浸水で取り出せないことがあります。玄関近くの持ち出し袋、寝室の小型ポーチ、自宅備蓄など、生活動線に合わせて分散してください。
家族の中で月経がある人だけに在庫管理を任せる必要はありません。製品名や細かな使用状況を共有したくない場合でも、「衛生ポーチを半年ごとに交換する」「残り一袋で買い足す」といった管理ルールなら、プライバシーを保ちながら家族で補充できます。
断水時の交換は手指、場所、ごみの順に考える
断水時は交換前後に十分な手洗いができず、トイレも混雑しやすくなります。最初に、手指を清潔にする用品、交換する生理用品、ごみ袋を手元にそろえます。交換場所へ移動してから荷物を探す回数を減らせるよう、1回分ずつ小袋にまとめる方法もあります。
使用済み用品はトイレに流さず、製品表示に従って包みます。避難所や自治体が定めた回収方法があれば、それに従ってください。ごみ箱が見当たらない場合は放置せず、避難所の運営担当者に回収場所を確認します。におい対策だけでなく、内容が外から見えない袋を使うことがプライバシーの確保にもつながります。
交換を極端に我慢したり、メーカーが想定していない方法で長時間使ったりしないでください。使用時間や交換方法は各製品の表示に従います。痛み、強いかゆみ、発熱、普段と異なる大量の出血など体調の異変がある場合は、自己判断だけで済ませず、避難所の保健・医療担当者や医療機関へ相談してください。
避難所では女性用品の場所と相談先を確認する
内閣府男女共同参画局は、女性用品の配布場所を設けること、トイレ・更衣室・入浴設備を男女別にすること、女性用トイレを男性用より多くすることなどを避難所環境整備のポイントにしています。避難所に着いたら、受付で女性用品の配布場所、女性用トイレ、着替えや休養のためのスペース、使用済み用品の回収方法を確認します。
大勢の前で生理用品を頼みにくいときは、女性の運営担当者、保健師、看護師などに個別に伝えられるか尋ねます。内閣府資料でも、生理用品や下着は女性担当者から配布したり、女性専用スペースや女性用トイレに常備したりする工夫が示されています。必要な物を求めることはわがままではなく、衛生と健康を守るための要望です。
一方、避難所ごとに設備や在庫は異なります。公的支援があることを前提に手ぶらでよいとは考えず、個人ポーチを最初の備えにします。持病、障害、妊娠・産後、更年期などで特別な配慮が必要な場合は、受付時に伝える情報をカードへ書いておくと、口頭で説明しづらい状況でも共有しやすくなります。
家と持ち出し袋を10分で点検する
- 普段の1周期で使う種類と量を確認する
- 持ち出し袋に数日分、自宅に1周期分を目安として分散する
- 下着、中身の見えない袋、手指衛生用品を一緒に入れる
- 水ぬれを避ける外袋にまとめ、交換・点検月を書く
- 家族の補充ルールと、避難所で確認する項目を共有する
購入時は価格やセット名だけで判断せず、普段使う種類か、個包装か、持ち運べる大きさかを確認してください。販売価格、在庫、セット内容は変わるため、楽天市場・Amazonの商品ページで購入前に最新表示を再確認しましょう。このページの商品欄は広告を含みますが、備蓄量や結論は紹介料を基準にしていません。
出典・一次情報
- 内閣府 防災情報のページ「物資支援について」(2026年8月2日確認)
- 内閣府「令和7年版 防災白書 特集 第1章第3節」(2026年8月2日確認)
- 内閣府男女共同参画局「避難生活」(2026年8月2日確認)
- 内閣府「防災Q&A 非常時に女性が必要としたもの」(2026年8月2日確認)
- 内閣府「男女共同参画の視点を生かした避難所運営」参考資料(2026年8月2日確認)