家族別の備え

災害時の眼鏡・コンタクトはどう備える?避難時に困らない持ち出し方

災害で断水・停電したときに、眼鏡やコンタクトレンズをどう使い分けるかを解説。予備眼鏡、ケース、ケア用品の持ち出し方と避難所での注意点を一次情報から整理します。

CONCLUSION

先に結論

避難時の基本は、すぐ取れる場所にケース入りの眼鏡を置き、持ち出し袋には現在の見え方に合う予備眼鏡と度数・受診先の情報を入れることです。衛生を保ちにくい避難所ではコンタクトレンズの装用を控え、できるだけ眼鏡を使います。

先に結論:災害時は、コンタクトレンズだけに頼らず、現在の見え方に合う眼鏡を主な避難用として備えましょう。寝室にはケース入りの普段用眼鏡、持ち出し袋には予備眼鏡、眼鏡ケース、眼鏡拭き、度数や受診先が分かるメモを入れます。断水中や避難所では手洗いとレンズケアが難しくなるため、コンタクトレンズの装用は控え、できるだけ眼鏡を使うのが基本です。

眼鏡やコンタクトレンズは、食料のように家族で共用できません。見えにくい状態では、割れた物を避ける、掲示を読む、避難経路を確かめるといった行動もしづらくなります。この記事では、2026年8月4日に確認した政府広報、厚生労働省、PMDA、日本眼科医会の情報をもとに、平時にできる準備を整理します。医療上の判断やレンズの変更は自己判断で行わず、眼科医や購入店に相談してください。

災害用は「眼鏡を中心、コンタクトは補助」で考える

政府広報オンラインは、在宅避難に備える生活必需品として、普段使っていて無くなると困る「眼鏡」を挙げています。また、地震発生時の備えとして、眼鏡は日頃からケースに入れ、停電に備えて懐中電灯や保安灯を用意するよう案内しています。揺れで眼鏡が飛ばされたり踏まれたりしないよう、就寝時は枕元の定位置にハードケースへ入れて置くと探しやすくなります。ケースの上に蓄光シールを貼る方法もありますが、明るさが永続するとは考えず、ライトも一緒に置いてください。

避難所でのコンタクトレンズについて、日本眼科医会は、台風による豪雨災害時の注意として「装用を控え、できるかぎりメガネを使用」するよう案内しています。これは、避難所や断水時には、着脱前の手洗い、清潔な保存液、乾いたレンズケースといった通常の衛生条件を保ちにくいためです。眼鏡なら衛生管理の負担が比較的小さく、眠るときに外す判断もしやすくなります。

ただし、古い眼鏡なら何でもよいわけではありません。度数が大きくずれている、レンズに深い傷がある、フレームがゆがんでいる眼鏡では、歩行や表示の確認に支障が出ることがあります。予備に回す前に、現在の生活で必要な距離が見えるか、かけ続けて不調がないかを確認し、合わない場合は眼科医や眼鏡店へ相談しましょう。

持ち出し袋に入れる眼鏡・コンタクト用品

眼鏡を使う人の基本セット

  • 現在の見え方に合う予備眼鏡
  • つぶれにくいハードケース
  • 乾いた眼鏡拭き
  • 氏名、眼鏡の用途、度数情報、眼科・眼鏡店の連絡先を書いた紙
  • 小型ライト

度数情報は、左右を取り違えない形で記録します。処方箋や購入記録が手元にある場合は、個人情報に配慮しながら紙の写しを防水袋へ入れると、通信障害やスマートフォンの電池切れにも備えられます。数値を自分で測ったり推測したりせず、眼科や眼鏡店で確認できた情報だけを書いてください。子どもは成長に伴い見え方やフレームサイズが変わるため、定期受診や買い替えの際に予備も点検します。

コンタクトレンズ使用者が追加する物

  • 眼科医の指示に沿った未開封のレンズとケア用品
  • 交換期限が分かる外箱または表示
  • 清潔なレンズケース(再使用型の場合)
  • 眼鏡へ切り替えるための予備眼鏡

厚生労働省は、ソフトコンタクトレンズの着脱前には石けんで手指を洗い、洗浄・保存には毎回新しい専用液を使い、水道水や井戸水を使わないよう注意喚起しています。断水時に配られる飲料水や備蓄水も、レンズケア用品の代用とは書かれていません。水や自家製の液で洗う、使用済みの保存液を継ぎ足す、といった代用は避け、添付文書と眼科医の指示に従ってください。

1日使い捨て、定期交換、ハードレンズでは扱いが異なります。「防災用だから」と普段と別種類のレンズを自己判断で買うのではなく、自分に処方された製品の使用期限、保管条件、装用時間を確認します。車内など高温になりやすい場所への長期放置はせず、製品表示の保管条件に従ってください。価格、在庫、仕様は変わるため、補充時に販売ページと表示を再確認します。

寝室・持ち出し袋・外出バッグの3か所に分ける

眼鏡を1か所にまとめると、その場所へ近づけないときに使えません。まず寝室には、普段使う眼鏡をハードケースに入れ、ライトと一緒に手の届く定位置へ置きます。割れたガラスが散る可能性を考え、裸のまま床や棚の端へ置かないようにします。

非常持ち出し袋には予備眼鏡と情報メモを入れます。湿気や汚れを避けるため、ケースごとチャック付き袋などへ収めます。外出バッグには、眼鏡ケースと必要最小限のケア用品を入れます。コンタクトで外出する人は、帰宅困難になったとき眼鏡へ替えられるかを基準に考えてください。職場や学校で保管できる場合も、本人の物と分かるよう記名し、保管規則を確認します。

政府広報は古い老眼鏡の再利用にも触れていますが、これは現在の用途に合うことを確認したうえでの予備と考えます。遠くを見る眼鏡、手元用、遠近両用など、用途が違う眼鏡を一括して「予備」にしないことが大切です。運転する人は、免許条件を満たす見え方についても平時に専門家へ確認してください。

避難所・断水時にやってはいけないこと

  • 汚れた手でコンタクトレンズを着脱しない
  • レンズやケースを水道水、井戸水、備蓄飲料水で洗わない
  • 保存液を継ぎ足して再使用しない
  • 交換期限や装用時間を延ばさない
  • 目の痛み、かすみ、充血などがあるのに装用を続けない
  • 割れたり大きく曲がった眼鏡を無理に使い続けない

厚生労働省とPMDAは、水道水をレンズの洗浄や保存に使わないよう注意しています。災害時に清潔な環境を確保できないなら、コンタクトを使い続ける工夫よりも眼鏡へ切り替える準備を優先します。目に痛みやかすみなどの異常がある場合はレンズを外し、医療機関や避難所の救護担当へ相談してください。症状の原因や緊急度をこの記事だけで判断しないでください。

半年ごとの点検チェックリスト

  • 予備眼鏡で必要な距離を見られるか
  • フレームのゆがみ、ねじの緩み、レンズの傷がないか
  • ケースが割れたり閉まりにくくなっていないか
  • 度数・用途・連絡先のメモが最新か
  • コンタクトレンズとケア用品の期限、未開封状態、保管条件を守れているか
  • 寝室、持ち出し袋、外出バッグの配置を家族が知っているか

交換時期を一律の年数で決めるのではなく、見え方、破損、製品表示、専門家の確認で判断します。眼鏡を新調した日や防災訓練の日を点検日にすると忘れにくくなります。家族に眼鏡やコンタクトを使う人が複数いる場合は、ケースの色や名前を分け、左右や用途を取り違えないようにしましょう。

出典・一次情報