結論からいうと、災害時に家族と電話がつながらないときは、何度もかけ直すのではなく、まず自分の身の安全を確保し、家族で事前に決めた電話番号を使って災害用伝言ダイヤル171またはweb171へ安否を残します。同時に、連絡が最後まで取れなくても動けるよう、集合場所、迎えに行く人、戻らない条件を平時に決めておくことが重要です。
2026年8月15日は、171とweb171を体験できる日です。操作を知識として読むだけでなく、家族全員で同じ番号を使って登録・確認まで試す日にできます。この記事では、サービスの使い分けと、紙の連絡カードに残す内容を順番に整理します。
災害直後は「電話をかけ続ける」より先にすることがある
大きな地震や水害の直後は、安否確認の通話が集中し、電話がつながりにくくなることがあります。NTTは、被災地への不要不急の電話や連続したリダイヤルを控え、家族の安否確認には災害用伝言サービスを使うよう案内しています。停電時は、自宅の電話機や通信機器が電源なしで使えるとは限りません。
したがって、行動の順番は「連絡」からではありません。まず落下物、火災、津波、浸水、土砂災害などから身を守り、安全な場所へ移動します。安全を確保したあとで、短い安否情報を残します。消防庁も、家族が離れて被災した場合は身の安全を確保してから安否確認を行うよう案内しています。
家族を心配して危険な場所へ戻るのも避けます。特に津波や浸水の危険がある場所では、安否確認のための引き返しが新たな危険につながります。「連絡が取れなければ、それぞれが安全な場所へ避難する」という共通認識を先に作っておきましょう。
171とweb171はどう使い分ける?
171は音声を残して電話で確認する
災害用伝言ダイヤル171は、災害時に被災地への通信が増えてつながりにくくなった場合に提供される、音声の伝言板です。利用時は局番なしの「171」へ電話し、音声ガイダンスに従って録音または再生します。NTT東日本は、家族や友人の間で、伝言を登録する電話番号をあらかじめ決めておくよう案内しています。
家族で重要なのは、誰のどの番号を鍵にするかを統一することです。自宅の固定電話、世帯主の携帯電話など、全員が間違えずに入力できる番号を1つ決めます。番号は市外局番から書き、子どもや高齢の家族が見ても分かるよう連絡カードにも記載します。実際の提供条件や操作は災害の状況で変わる場合があるため、利用時の音声ガイダンスとNTTの最新案内を優先してください。
web171は文字で登録・確認する
web171は、インターネットから電話番号を使って伝言を登録・確認できるサービスです。音声を聞き取りにくい環境や、短い文字情報で居場所を伝えたい場合の別経路になります。ただし、端末の電池切れ、通信障害、アクセス環境によっては使えないため、web171だけに一本化しないことが大切です。
171とweb171は「どちらが上」ではなく、使える通信経路を増やすための組み合わせです。消防庁も、ふくそうや故障に備えて、特定の方法だけでなく複数のサービスを平時から練習することが望ましいとしています。
今日できる171・web171の体験手順
NTT東日本の公式案内では、171とweb171の体験利用日は毎月1日と15日の0時から24時、正月三が日、防災週間、防災とボランティア週間です。2026年8月15日は月例の体験利用日に当たります。災害が発生した場合などは体験利用できないことがあるため、当日の公式案内も確認してください。
- 登録に使う電話番号を決める:家族全員が覚えている番号を1つ選び、紙にも書きます。
- 171を試す:171へ電話し、ガイダンスに従って録音します。別の家族が同じ登録番号で再生できるか確かめます。
- web171を試す:公式サイトを開き、同じ電話番号で伝言の登録と確認を試します。
- 伝言文を短くそろえる:「名前・無事か・今いる場所・次に向かう場所・次回更新予定」の順にします。
- うまくいかなかった点を直す:番号を覚えていない、スマホのブックマークが見つからない、家族で表現が違う、といった問題を連絡カードへ反映します。
体験時に個人情報や実際の避難先を必要以上に詳しく残す必要はありません。体験利用で登録した伝言の保存期間や件数は通常運用と同じとは限りません。公式ページではweb171の体験利用について、20伝言、保存は体験利用期間と案内していますが、実災害時の条件は状況に応じて設定されます。
家族で決める連絡ルールは5項目
1.登録に使う共通の電話番号
171とweb171で検索の基準にする番号を統一します。携帯電話の連絡先アプリだけに保存せず、財布や通学かばん、非常持ち出し袋に入れる紙のカードにも記録します。カードを落とした場合を考え、口座番号、暗証番号、本人確認書類の画像などは一緒に書かないでください。
2.集合場所を第1・第2まで具体的に決める
「近所の小学校」だけでは、校庭、体育館、正門などで行き違います。消防庁は、広い避難場所では体育館の入口など具体的な場所まで打ち合わせることが役立つと案内しています。災害の種類によって安全な場所は変わるため、第1集合場所が危険または立入禁止なら第2集合場所へ移る、という条件も決めます。指定緊急避難場所と指定避難所の役割、開設状況は自治体の最新情報で確認してください。
3.迎えに行く人と、迎えに行かない条件
保育園、学校、介護施設、職場には、それぞれ引き渡しルールがあります。誰が迎えに行けるか、施設がどの連絡手段を使うか、代理人登録が必要かを個別に確認します。同時に、津波警報、河川氾濫、土砂災害などで経路が危険なときは迎えに向かわず、自分も避難する条件を決めます。
4.遠方の連絡中継先
消防庁は、安否情報の取次ぎを頼める遠方の親戚や知人を決めておくよう案内しています。被災地域の外にいる1人を中継役にし、家族がそれぞれ短い状況を伝える方法です。中継を頼む相手には、事前に了承を得て、どこまで共有してよいかも決めておきます。
5.伝言を更新する目安
居場所を変えたとき、負傷や体調の変化があったとき、次の移動先が決まったときに更新します。「無事です」だけより、「○○避難所の正門付近。今夜は移動しない。次は18時ごろ更新」のように、受け手が次の行動を判断できる短い内容が役立ちます。ただし、公開範囲が分からないサービスへ詳細な個人情報を残すのは避けます。
スマホが使えない場合に備える連絡カード
連絡カードは高価な専用品でなくても作れます。水濡れや摩耗を考え、丈夫なケースや防災ポーチに入れ、家族ごとに携帯します。購入時は価格や在庫が変わるため商品ページで再確認し、カードが取り出しやすいか、記入欄が読めるかを見て選んでください。
- 本人の氏名と、生年月日は必要性を考えて記載
- 家族で使う171・web171の登録番号
- 第1・第2集合場所と、使い分ける条件
- 遠方の連絡中継先の氏名と電話番号
- 学校・保育園・介護施設・職場の連絡先
- 自治体の防災情報ページやハザードマップの確認先
- 持病、薬、アレルギーなど救護に必要な情報は、本人の状況に応じて別カードへ
連絡カードは作って終わりではありません。進学、転職、引っ越し、電話番号変更のたびに更新します。少なくとも防災週間など年1回は全員分を見直し、古いカードを回収してください。
よくある失敗と注意点
家族全員が別の番号を登録する:検索先が分散します。基準番号を1つに統一します。
SNSのグループだけに頼る:普段は便利でも、端末の電池、通信、アカウントへのログイン状態に左右されます。171、web171、遠方の中継先、集合ルールを重ねます。
連絡を取るため危険な場所へ戻る:連絡より避難を優先します。「戻らない条件」を家族で明文化します。
集合場所が曖昧:施設名だけでなく、正門、受付付近など安全を確認できる具体的な地点を決めます。
体験せず本番を迎える:毎月1日・15日の体験日を使い、録音する人と確認する人を交代して操作します。子どもには、端末を操作できない場合に誰へ助けを求めるかも教えます。
出典・一次情報
内容とリンクは2026年8月15日に確認しました。サービスの提供状況や条件は変わる場合があるため、利用時は各公式ページの最新案内を確認してください。