避難所の感染症対策でまず大切なのは、手洗い・トイレ後の衛生・換気を、断水しても続けられるようにしておくことです。家庭では、石けん、水、手指衛生用品、個包装の拭き取り用品、マスクなどを一か所に詰め込まず、持ち出し袋と在宅避難用に分けて備えます。症状が出た人を自己判断で我慢させるのではなく、避難所の運営者や保健・医療の相談窓口へ早めに伝えることも重要です。
この記事は一般的な備えと行動を整理するものです。消毒薬の使い方、受診、服薬は製品表示や医療・行政の案内を優先してください。避難所では施設ごとのルールがあるため、現地では自治体・運営者の指示に従いましょう。
なぜ避難所では衛生の備えが必要なのか
災害時は、多くの人が同じ空間で過ごし、断水や混雑によって普段どおりの手洗い・清掃が難しくなることがあります。厚生労働省は、避難所では衛生状態を保ち、手洗いと咳エチケットを行うよう案内しています。発熱やせきだけでなく、下痢・嘔吐なども周囲へ広げない行動が必要な症状です。
ただし、家庭だけで感染症を完全に防ぐことはできません。目的は、できる範囲で接触や飛沫に関わる衛生行動を継続し、体調変化を早く共有できる状態をつくることです。持病がある人、乳幼児、高齢者、妊娠中の人などは、普段から避難先と相談先を家族で確認しておくと伝達がスムーズです。
秋から冬にかけては、気温が下がる一方で窓を閉めがちになります。厚生労働省の急性呼吸器感染症に関する案内でも、手洗いなどに加え、室内の換気を基本的な対策の一つとして示しています。寒さを我慢して窓を開け続けるのではなく、避難所の換気方法・時間帯の案内に合わせて行動しましょう。
断水時も続けたい手指・口まわりの衛生
水道が使えるときは、まず流水と石けんで手を洗うことが基本です。厚生労働省は、目に見える汚れがある場合は流水による手洗いを優先するよう案内しています。共同のバケツの水に直接手を入れて洗う方法は、衛生管理上の問題になることがあるため、避難所の設置方法と案内に従います。
断水中は、流水による手洗いを直ちに同じ形で続けられない場合があります。そのため、水と石けん、製品表示に従って使う手指衛生用品、個包装のウェットティッシュや清拭用品、ティッシュとふた付きごみ袋を、用途別に準備します。手指衛生用品は、飲用水や食品のそばに漏れた状態で置かないようにし、子どもの手が届きにくい場所に保管します。火気の近くでの使用・保管や、目・口への使用などは避け、必ず製品の注意書きを確認してください。
ウェットティッシュは用途により成分や使える場所が異なります。「除菌」と書いてあることだけで手指用・口まわり用と決めつけず、表示を確認します。避難所でせきやくしゃみが出る場合は、マスクを着ける、ティッシュや袖で口と鼻を覆うなど、周囲に飛沫を広げない行動をとります。マスクを着けることが難しい人もいるため、個々の事情と運営者の案内を尊重します。
トイレの後こそ、家族で手順を決める
避難所の感染症対策では、トイレの衛生が特に重要です。厚生労働省の避難所向け資料には、トイレ使用後の手洗い、汚染された履き物を介した広がりへの注意、共用タオルを避けることなどが示されています。家族で「トイレの後にどこで手をきれいにするか」「拭き取り用品やごみをどこへ入れるか」を決めておくと、慌ただしい場面でも迷いにくくなります。
簡易トイレを使う場合は、凝固剤や袋だけで終わりにせず、使用後のごみを自治体・避難所の案内に従って分別・保管します。消毒薬を自己流で混ぜたり、濃度を推測して作ったりするのは危険です。清掃・消毒が必要になったときは、施設管理者や自治体の案内を確認し、製品の表示どおりに扱いましょう。
乳幼児のおむつ、生理用品、介護用品などは、におい対策だけでなく、使用後に手をきれいにする手順まで含めて備えます。普段使っている用品を少し多めに回しながら補充する方法なら、肌に合うか分からないものだけを非常時用に抱え込まずに済みます。
体調不良時の行動と、平時の衛生備蓄
発熱、せき、下痢、嘔吐などの症状があるときは、無理に一般の居場所で過ごし続けず、早めに避難所の受付・運営者へ伝えます。厚生労働省は、下痢や嘔吐がある人について水分補給に留意し、速やかな医師の診察や、可能であれば避難所外での療養を検討するよう示しています。これは診断や治療を家庭で決めるという意味ではありません。地域の保健所、自治体、医療機関の案内に従ってください。
衛生用品は「何個あれば十分」と一律には決められません。家族人数、年齢、持病、避難先、普段使う製品で必要量が変わるためです。まずは家にある量を数え、石けん、個人用タオルまたはペーパー類、手指衛生用品、個包装の清拭用品、マスク、ティッシュ、ふた付きごみ袋、簡易トイレ、トイレットペーパー、生理用品、おむつ・介護用品を不足分から補います。常用薬やお薬手帳の情報も紙に控えます。
購入時は、価格・在庫・レビューが変わるため、商品ページで用途、成分、使用上の注意、保管条件を確認してください。この記事下部の「広告」表示付き商品欄は、候補を探す入口です。特定の商品が全員に合うとは限らないため、肌や家族の事情に合うかを平時に確認しましょう。
出典・一次情報
- 厚生労働省「災害時における避難所での感染症対策」(2026年10月17日確認)
- 厚生労働省「被災地での健康を守るために」(2026年10月17日確認)
- 厚生労働省「避難所等のトイレの消毒方法、手洗いなどについて」(2026年10月17日確認)
- 厚生労働省「令和8年度 急性呼吸器感染症(ARI)総合対策に関するQ&A」(2026年10月17日確認)
- 内閣府「令和8年版 防災白書」(2026年10月17日確認)